インドの地元ニュースメディアQuartz Indiaの報道によると、インド財務省統治の下にある委員会はBitcoinを規制する一方で、政府の支援による仮想通貨を推奨していく方針であるという。
Quartzは10日、委員会は政府が開発したブロックチェーン上に作られたトークンの開発を提案する準備は整ったと報じた。政府の委員会間の議論に詳しいとされる高級官吏の発言をその裏付けとして取り上げた。
「我々は政府によってバックアップされた仮想通貨と暗号トークンを評価している。また、政府には独自のブロックチェーンの研究開発を行うことを勧告する予定だ。」
インドは政府は、仮想通貨取引所の運営など仮想通貨を取り扱うサービスの提供を禁止しており、Bitcoinなどの仮想通貨の取引に関しては否定的な姿勢を示しているが、2017-18の年次報告書に掲載された内容によると、RBIは中央銀行のデジタル通貨(CBDC)を導入する可能性を検討することを課題する「部署間グループ」の形成を承認するなど、政府が発行する仮想通貨に対しては積極的な姿勢を示している。
RBIの理事長Sudharshan Sen氏が最初に「法定デジタル通貨」を示唆したのは2017年9月であったが、RBIの研究部門は2017年の初頭にはすでに、ブロックチェーンの技術はルピーのデジタル化を可能にするまで成熟していると結論づける文書を公開している。
またその通貨の名前を、美と富と豊穣と幸運を司るヒンドゥー教の女神の一柱であるLakshmi(ラクシュミー)と命名する案が出ていることも明らかになっている。
これまでBitcoinの取引に関する会議の中でも、政府代表者は政府支援のデジタル通貨がどのように機能するのかを理解しようとする姿勢が見られてきたと、Quartzは報じた。インド政府がもし「Lakshmi(ラクシュミー)」コインを開発すれば、南米のベネズエラが自国の豊富な原油に基づいて発行したトークン「Petro(ペトロ)」に続く政府発行の仮想通貨となる。
偽札の流出などが原因で自国通貨に対して信頼がない国はインドを含め世界に多く存在する。インドや中国といった人口の多い国は脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)などの不正行為を防ぐことが難しく、法定通貨の信用を高めるのが非常に難しいとされている。法定デジタル通貨の開発は、インドにとってメリットは決して少なくないのかもしれない。
参考:Quartz India