ビットコインは昨年末の巨大な強気市場の反動で、ここ数ヶ月は低迷期に入っている。取引量は落ち込み、そのボラティリティ(価格変動)は17ヶ月ぶりの低水準となった。

9月のビットコインの価格は、約6,200~6,800ドルの範囲となった。ここまでの水準となったのはおそらく、投資家達がグローバルな規制当局、または世界の大手金融会社から仮想通貨の対応に関する大規模な決定を待っているためだと思われる。

8日、2013年に出来たイギリスの最も古い仮想通貨取引所であるCoinfloorが、ビットコインおよびその他の仮想通貨関連企業同様に、スタッフの数を半数以上削減していく方針を進めていることが明らかになった。英国メディアのファイナンシャルニュースが報じた。

Coinfloorの最高経営責任者(CEO)であるObi Nwosu氏は、「市場全体の貿易量に大きな変化が見られました。Coinfloorは現在、市場における競争上の優位性に焦点を当て、顧客に最高のサービスを提供するための事業再編を行っています。この再編の一環として、スタッフの変更と冗長化を行っています。」と語った。

Nwosu氏によると、Coinfloorは過去12ヶ月間で約10億ドル(約1,130億円)相当のビットコインを取引したという。報道によれば、CoinfloorはGoldman SachsとCredit Suisse Adam Knightの元マネージングディレクター(MD)で、P2P送金サービスを提供するTransferWise社の創業者であるTaavet Hinrikus氏から支援を受けており、また、ベンチャーキャピタルのPassion Capitalからも支援を受けている。

ここまで規模が大きい取引所が半数以上もの人員削減を発表するというのだから、市場の落ち込みはかなり深刻化していると言っていいだろう。

近年のビットコインの関心が急増したことで、多くのビットコインと仮想通貨取引所が急速に成長し、その需要を満たすために新しいビジネスが次々に市場に参入してきた。

しかし、昨年末からの暴落を経て、ビットコイン・ビジネスは今、ビジネスモデルを再考する時期に入ったと言っていいだろう。大手仮想通貨情報サイトのCoinMarketCapのデータによると、現在世界中には約200もの仮想通貨取引所が存在するが、市場混雑化により、各取引所はユーザーを確保するために苦戦している状態だ。

ビットコインのこうした最近の下落により、投機的な投資は減少しつつある。これは、ビットコインの熱狂の滞在を望む取引所の手数料引き下げを意味する。

Bloomberg Intelligenceのコモディティ・ストラテジストであるMike McGlone氏はこの市場に対し、「これは成熟していく市場なので、ボラティリティは低下し続けるはずだ。新しい市場が誕生した時は、それが確立するまでは不安定である。」と語った。

今年に入ってから仮想通貨市場は落ち込みが続いているが、このまま市場の落ち込みが続けば、人員削減の流れも続いていくのではないだろうか。

参考:Forbes