韓国のサムスン傘下でIT事業を手がけるサムスンSDSは27日、ブロックチェーンをベースとしたプラットフォーム「BankSign」を発表した。

BankSignは、ブロックチェーンを活用した銀行向けの個人認証ツールで、異なる銀行間の取引をシームレスにすると言われている。このプラットフォームにより、顧客は1つの銀行の認証で、異なる銀行の取引を行うことができるようになる。また、認証には、指紋認証、パスワード認証、パターン認証など様々な認証方法があり、認証の有効期間も1年から最大3年に伸びるとされている。

サムスンは2015年にブロックチェーン技術の開発部門を創設し、2017年に最初のブロックチェーンビジネスプラットフォームであるNexledgerを導入した。BankSignはこのNexledgerを基盤としており、2016年秋から自社グループのクレジットカード会社と提携し、Nexledgerの実証実験を行うなどしてプロジェクトを進めてきた。

BankSignが導入される前は、韓国の銀行は20年前のセキュリティシステムを使用しており、非効率的であることが度々指摘されていた。以来、韓国政府は「デジタル署名法」へ切り替える方針を固め、国内の機関にこの公的認証制度を使用させる方針へとシフトさせていった。

先日はブロックチェーンの専門家や、議員、法律家など多様な分野間の学際的協力を促進するために“Blockchain Law Society(ブロックチェーン法学会)”と呼ばれる新組織の立ち上げを発表するなど、昨今の韓国政府はブロックチェーンの採用に向けて国を挙げて積極的に取り組んでいる。

仮想通貨に対する規制方針は国によって対応が大きく異なるが、こうした韓国政府の積極的な動きは、国内のブロックチェーン技術の発展の手助けになることだろう。

参考:サムスンSDS