米証券取引委員会(SEC)は7日にCBOE(シカゴ・オプション取引所)に求められているビットコインETF(上場投資信託)の承認を9月末まで延期することを発表し、その後ビットコインは大幅に下落した。これに対して仮想通貨投資会社BKCMのCEO、Brian Kelly(ブライアン・ケリー)氏は、ETF承認の延期を受けてビットコインを売る投資家は間違っていると主張した。
この48時間で、仮想通貨市場は約29億ドルもの損失があった。主要のビットコインの価格が10~25%も低下したためである。大多数のアナリストが、ビットコインの短期的な価格変動はSECのETF承認延期が原因であると指摘しているが、中には「延期は予測できた」と指摘する者もおり、彼らはむしろ店頭市場での大規模な売りが市場を暴落させた可能性があるとしている。
何れにせよ、今回の延期でビットコインを売るのは適切ではなく、さらにビットコインETFも2018年の末まで承認されないだろうと、Kelly氏は強調した。
「5,800ドルという底値から脱したビットコインだが、それは人々がビットコインETFが承認されると思ったからだろう。しかし、SECは延期した。少しネタバレをすると、期限とされている9月30日にもおそらくSECはまた延期を発表するだろう。それは市場がまだ整っておらず、質問に対する答えをSECが用意できていなかったからである。」
SECの公式文書によると、申請可否の判断は45日間、もしくは90日間としているが、合衆国法典の基、最大240日の審議期間を設けることができる。9月30日までに審議期間が再度延長されれば、2019年2月まで延長することが可能であるという。
この1週間で主要の仮想通貨のほとんどが下落したが、イーサリアムクラシック(ETC)は30%も上昇した。仮想通貨取引プラットフォームを提供するRobinhoodがイーサリアムクラシックを追加で取引できるようになったと発表したこととや、仮想通貨取引所Coinbaseの「コインベースプロ」プラットフォームに追加されたことなどが上昇の理由であるとKelly氏は述べた。
「イーサリアムクラシックは、先月30%増しだった。今イーサリアムクラシックを動かしているのは2つ。CoinbaseとRobinhoodだ。個人投資家がここまで簡単にイーサリアムクラシックを手にすることが出来るのは初めてのことだろう。Coinbaseは機関投資家に市場を開いており、来週かそれ以降にはプラットフォームの一般サイドにもETCを追加するだろう。」
全体的に下落傾向が見られた市場だが、そんな中でも新規上場により主要仮想通貨の中では唯一上昇したイーサリアムクラシック。相場はまだ少し重たい気配だが、ETFといったわかりやすい好材料があれば好転する可能性もありそうだ。
参考:CCN