先月ビットコインが急落したにもかかわらず、ゴールドマン・サックスが支援するスタートアップのサークルでは、機関投資家の顧客増加が見られるなど、好調な動きを見せた。サークルの創設者で最高経営責任者(CEO)のJeremy Allaire氏は25日、CNBCの電話インタビューに以下のように応えた。
「5月は我々にとっては挑戦的な月となった。しかし、同月には多くの機関投資家の急激な増加があった。」
同社は26日、自動化されたデジタル通貨トレーディングプラットフォーム「サークルトレード」を発表した。このトレードにより投資家は人と話すことなく高頻度の注文をすることが可能になった。5月はビットコインの価格が約20%も下落するという動きがあったが、同社では月ベースで機関投資家の顧客が30%も増加し、1日あたりの取引量は前年に比べて15倍にもなった。
今までは、10万ドルや100万ドルといった高頻度株式取引を処理するための設備がなく、顧客はSkypeなどのインスタントメッセンジャーを使い、セールス担当者と直接取引をするマ二ュアルな方法での取引を強いられていたという。
おおよそ毎月20億ドルの取引があるとされているサークルにとって、注文と決済が自動化になったことは同社にとっても顧客にとっても大きなメリットとなるだろう。
「機関投資家は電話ブローカーなどは使わない。電子的なインターフェースを使う。これまでの伝統的な製品にも取り入れていくつもりだ。これははるかに高速で柔軟な取引方法だ。」
Allaire氏はこのように語り、前向きな見解を示した。サークルトレードは、機関投資家へ向けた店頭の取引所としては最大規模でブロックチェーンの技術を利用し、仮想通貨の取引を可能にする分散型P2P取引を運営している。
2月には仮想通貨取引所のPoloniexを買収しており、仮想通貨領域での事業を多角化している。米金融大手ゴールドマン・サックスや中国インターネット検索最大手、百度(バイドゥ)などが出資しており、業界では注目の存在だ。仮想通貨ビジネスを拡大していく同社から、今後も目が離せない。
参考:CNBC