ABN AMRO Clearing、EuroCCP、Euroclear、NASDAQが共同で行っていた営業時間外にブロックチェーンや分散型元帳技術を使用してマージンコールのカバーをすることで有価証券の使用を効率的にする概念実証(PoC)を完了させたことを発表した。
これにより、現在セントラル・カウンターパーティー(CCP)が抱えているビジネス面での課題を解決し、担保の受取人、負担人、仲介者を効率的に対処できるネットワークを構築できることが実証された。
証券取引所の営業時間の延長を含む近年の市場変化により担保処理が非効率になってきているため、現在CCPのマージンコールはユーロを担保にして短期間で解決する必要があるが、今回の概念実証において当事者たちはマージンコールや担保の提供、返品を数分以内に扱い、参加者とCCPはダッシュボードを通じて担保のポジションを最適化できた。
基礎となる担保移転はEuroclearの中央証券保管所によって処理されることで決済の法令遵守も保証される。
Euroclearは、ベルギーのブリュッセルに拠点を置く国際決済機関。1968年に設立され、ユーロカレンシーとユーロ債の国際市場を発展させた。2002年に英決済機関のCRESTを買収して以降、世界で国際決済機関はEuroclearとClearstreamの2社のみとなっている。
ナスダック・クリアリングのジュリア・ハグリンドCEOはブロックチェーンが市場をあらゆる場面で変える大きな可能性をもたらし、このプロジェクトが優れた実例になると信じていると発言した。
概念実証の段階のためリアルな市場に反映されるまでは時間が掛かりそうだが、世界最大級のマーケットであるNASDAQを始めとした巨大企業がブロックチェーンを取り入れることによる変革もまた大きなものとなるだろう。
参考:NASDAQ