ブロックチェーンのベンチャーキャピタリストである、スペンサー・ボガート氏は、ビットコインは下落傾向にあるものの、まだ“買い”であるとCNBCに語りました。

「多くの大手銀行たちが、この分野で何かをしようとしております。顧客にビットコインを提供するか、それを保護するプラットフォームを作成するか、取引デスクを開くかといった動きが見られますが、ビットコインが根深く制度化していくことは全体的に見ればプラスです。」

デジタル通貨のユースケースが増加し続けているということは、この新たな通貨が制度化してきた証拠であると、CNBCの番組“Fast Money”でボガート氏は語りました。

しかし、ビットコインは昨年12月に約19,500ドルに急増したあと、今年の初めには50%以上も減少。規制が強まる中で、価格は8,000ドルまで下がり、29日現在では約7,100ドルを下回るなど下落トレンドは留まるところを知りません。

そんな状況でも、ボガート氏は“買い”であるということを主張しました。むしろ、仮想通貨の中で主流になればなるほど購入すべきであると説明しました。

「仮想通貨の多くは、“約束”は大きいですが“結果”は小さいといったものがほとんどです。一方で、非常に優れたユースケースを持つものもいくつかあり、ビットコインはその1つなのです。」

過大に評価されているものの例として、Cardano、TRON、IOTAやNEOなどを挙げており、これらは大幅に上がる可能性もある一方で、逆に大きく下落する可能性も秘めていると言います。

一方で、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)やEOSといった仮想通貨は「中立的(ニュートラル)である」と語り、ホールド(保有)しておくことを推奨したボガート氏。

しかし、イーサリアムについては注意をする必要があると語りました。現在は多くのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)がイーサリアム上で行われているため、そのプロジェクトのICO自体がうまくいかなかった時はそのプラットフォームを構築しているイーサリアムにも大きな影響が出ることを懸念材料としております。

このように有名なコインでも大きな逆風に直面することはありますが、そんな中でもビットコインは年末までに10,000ドル以上で終わるはずであると、強気の姿勢を示しております。

「これからビットコインの取引が縮小することはあり得るのか?十分あり得るでしょう。しかし、“1年度には今より高くなっているか?”と聞かれたなら、“もちろんです”と答えます。」

ボガート氏は、一昨年の2016年に米国の投資銀行ニーダム&カンパニーの副社長として「将来的にはビットコインがブロックチェーンの中核になる」というレポートを発表し、昨年も「ビットコインは長い年月の間に金からその地位を奪う潜在力がある。」と述べるなど、ビットコインが爆発的に広まる前から長期的に強気の予想をしているアナリストです。

確かにビットコインの価格は下がる一方ですが、仮想通貨市場へメインストリームからの資金流入を促進すべくカストディアンサービスを複数の金融機関が発表するなど、ビットコインやブロックチェーン技術がメインストリームに受け入れられる節目に来ているのは事実。ボガート氏の言う通りなら、市場の伸びが期待できる時期に入ってきているのかもしれません。

軟調な相場動向が続き、元気のない市場ですが、仮想通貨の代表格としてビットコインが位置するのであれば、今後の市場もビットコインにかかっていると言っても過言ではないでしょう。

参考:CNBC