昨年12月に、世界銀行がブロックチェーン技術に関するフィンテックの報告書を発表してから約5ヶ月弱が経ちました。12月に発表されたその報告書では、以下のように述べられています。
「この技術はまだ開発の初期段階にあり、その潜在能力を実現するにはまだまだ長い道のりがあります。プライバシー、セキュリティ、拡張性、相互運用性、法的規制など様々な面において、一般的な使用性を発行する立ち場にはありません。」
しかし、ブロックチェーン技術がまだ主役になるには時期尚早とする一方で、以下のようにも述べました。
「“完璧な”DLTソリューションを待つことは、必ずしも開発組織にとって理想的なアプローチではありません。DLT(分散台帳技術)が秘めている可能性を考えると、単なる研究だけでなく、実際のアプリケーションの使用によるパイロットの繰り返しが必要です。」
このように、実用化の重要性についても触れており、また、今月12日のプレスリリースにおいて、改めて以下のように指摘しています。
「“完璧な”DLTソリューションが完成するのを待っていると、それを形作る機会を逃すことになります。」
世界銀行はDLTベースのソリューションの早期実施を提唱しており、より良い解決策を整えようと改革を進めていることを示唆しました。
仮想通貨とブロックチェーンに関しては控えめな世界銀行ですが、金融サービスや、医療サービス、交通サービスを管理するような“次世代型のDLTシステムの設計”が挙げられました。
最近新たなブロックチェーン宣言を策定し、DLT開発に対応するだけでなく、ネットワークの発展を支援するためにイニシアチブを取った欧州委員会のような行動を世界銀行はアドバイスとして説いており、これらはヨーロッパの主な目的を強化すると言います。
また、世界中の政府、機関は、同じ科学的な社会問題に取り組む必要があり、こういった幅広い取り組みが世界銀行の目標でもある、より公平で、より結ばれた、より持続可能な世界を作ることに繋がっていくということを強調しました。
世界銀行は米国ワシントンD.C.に本部を置く国際機関で、各国の中央政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行います。国際通貨基金(IMF)と共に金融秩序制度の中心を担っています。
参考:World Bank Group , ETH News