中国当局によるビットコインなど仮想通貨への法規制が強まっている。ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行での資金調達)を全面禁止し、先日は仮想通貨取引所の閉鎖措置まで踏み切った。

今月から来月にかけて多くの中国内の仮想通貨取引所は取引停止や閉鎖などを予定している。さらに追い打ちをかけるように中国当局による規制が拡大していく可能性があることが分かった。WSJにより伝えられている。

これまではユーザーの間では取引所の閉鎖が主で、P2Pでの取引に関しては規制がないと考えられていたが、中国のプラットフォームのいくつかが中国当局の規制のもとでP2P取引を中止することを発表し、規制が拡大していくとの見方が強まっているという。

また、中国本土から米国のCoinbaseや香港のBitfinexなど、海外の取引所へのアクセスも制限される可能性も高く、懸念が広がっている。

また、OTC(店頭取引)も規制される恐れがあるとし、場合によってはマイニング(採掘)に関しても波及するとの見方もされている。中国はこれまでマイニング産業が盛んだったが、これが事実であれば仮想通貨市場全体にも多少の影響はあると思われる。

これまで中国当局の取り締まりが厳しくなってきている流れから、マイニングに関しても何かしらの規制があってもおかしい話ではない。

CryptoCoinsNewsによると、中国ではビットコイン取引量全体の約10〜15%しか占めていないが、ハッシュレートは約65%を占めているという。このため、「グレートファイアウォール」をかいくぐるためにマイナー(マイニングをする人)がVPNを利用する可能性もあるが、WSJによると、「回避策としてVPNを使用するのは難しい」としている。

日本国内では法整備が進められ、GMOやDMMなど大手企業が法を遵守のもと、マイニング事業に取り組むことを発表した。中国でマイニング事業が廃れるのであれば、これから日本もマイニングに入り込む余地は大いにありそうだ。

国によって仮想通貨に対する姿勢は異なるが、市場を圧迫させない規制を望みたい。ここしばらくボラティリティの高い相場が続いた。さまざまな要因が憶測されているが、これも中国の影響が強いと考えられている。今後の中国当局の動向が注目されている。

参考:CryptoCoinsNews