一般社団法人全国銀行協会(全銀協)が行う「ブロックチェーン連携プラットフォーム」の実証実験のパートナーベンダーとして、国内4社の企業が選ばれたことが分かった。
今回の実証実験に選ばれているベンダーは、NTTデータ、富士通、日立製作所、bitFlyerの4社で、今後詳細の仕様などを調整していき、契約締結後、2017年10月中にブロックチェーン連携プラットフォームの実動を目指していくとしている。
NTTデータ、富士通、日立製作所の3社はHyperledgerProjectに賛同していることから、提供するブロックチェーンもHyperledgerを基盤としたものを提供すると考えられる。
富士通は同社のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」上にHyperledger Fabricを元にしたブロックチェーンを実装したプラットフォームを提供する予定としている。
また、銀行の送金と言えばRipple社の、InterledgerProtocolが広く知られているが、NTTデータがHyperledgerに加えInterledgerも利用する可能性があると、米CoinDeskがRipple社のCTO、Stefan Thomasに対する独占インタビューにより伝えられている。しかし、今回の実証実験までに実現させるのは難しそうだ。
HyperledgerとInterledgerとの互換性の問題など技術的な面はまだ時間がかかりそうだが、まずは時間をかけても実現されることに期待したい。また、NTTデータはEthereumも活用しているなどブロックチェーン技術において先進的である。いずれにしてもHyperledgerを元にしたものになるだろう。
日立製作所の提供するブロックチェーンはどのようなものかは不明だが、やはりHyperledgerを基盤としたものだと考えられる。
bitFlyerに限り、自社で開発しているブロックチェーンMiyabiを提供するとのことだが、Miyabiはすでに国内3大メガバンクとの実証実験を行っており、この評価を受けて今回のブロックチェーン連携プラットフォームのベンダーとして選ばれたとも考えられる。
全銀協では今回のプラットフォームでの実証実験を通して、決済・送金サービスの新しい分野やKYC(本人確認)、全銀システム、でんさいネットシステムなどにおいて、ブロックチェーン技術/DLTの活用が求められる分野での実用化に向けて検討していくという。
ブロックチェーン技術を活用したシステムは日進月歩、日々進化し続けており特に決済や送金の分野、銀行など金融機関での取り組みが目立つようになってきた。今後、ますますの技術発展が期待される。
参考:全国銀行協会