2017年に入ってからとくに増えてきたICO(イニシャル・コイン・オファリング)。発行されるトークンは玉石入り混じり、出資する際にはホワイトペーパーを読み込むなど、しっかりとそのトークンに対して知識を深めておく必要があるが、中には「とりあえず買えば儲かりそう」といった根拠なく出資をしてしまう方も少なくないようだ。
ここ最近のICOで大きな成功を見せた例としてはEOSが代表的だろう。1億8,500万ドル分のイーサリアム(ETH)を集めた。EOSは7月7日現在、時価総額が約5億ドルで仮想通貨市場で12位となっている。(CoinMarketCapの統計より)
ICOとは呼べないような悪質なケースも増えている。プレセールを称し、セミナーなどで勧誘をし、出資を募る例が多いようだが、このように直接資金を集める「詐欺コイン」も存在し、実際に市場に出回ることなく取引ができなくなる可能性も懸念されているので注意が必要だ。
こういった中、タイのバンコクに拠点を置くオンライン決済サービスのスタートアップ「Omise」がイーサリアムベースでのICOを行い2,500万ドルを調達した。OmiseはICOを行う前にもVCで2,000万ドル以上を集めていた。国内大手企業では、三井住友フィナンシャルグループやSBIホールディングスなどが出資をしている。
今回集まった資金では「Omise GO」という名称の決済プラットフォームを開発するとし、銀行口座がなくても、ネットワーク上での決済など、資金のやり取りを可能にするという。Omise GO上では独自のトークンとして、OMGという仮想通貨を使うことになるといい、OMG開発にはイーサリアム開発者のヴィタリック・ブテリン氏を顧問として迎えている。
上述したがICOは不確かなことや、プロジェクトのコンセプトが分からなくても話題先行で出資してしまい、結果損失をするという例も少なくない。そのためICOに対して疑問や不信を抱く方も少なくない。
警戒はし過ぎるに越したことはないが、Omise GOのような明確なコンセプトを持ったサービスが増えてくれば、ICOに対しての認識も変わってくるだろう。Omise GOは現在開発中で、サービスは今度の第4四半期中にリリースを予定している。
参考:OmiseGO