ここのところ投機として引っ張りだこの仮想通貨。主にビットコイン(BTC)に代表されるものだが、その種類は1,000種類以上あり、中には取引所を介さない詐欺のようなコインや、使途不明のコインもあるので出資するなら注意が必要だ。
国内のコインだと大手ネット掲示板2ちゃんねる発祥の「モナーコイン(MONA)」などが有名だ。他にもさまざまなコインがあるが、筆者の経験上、知人から紹介されたり、セミナーに参加するよう求められたものが多く、あまりいい印象のコインは見当たらない。そういったものは概ね上述した詐欺コインなので、気をつけていただきたい。
ブロックチェーンを活用した取り組み
さて、この仮想通貨だが、基本的にブロックチェーン技術を基盤とし、取引の履歴や契約内容の管理を行っている。ブロックチェーンと一括りにしても、さまざまなネットワークがあり、金融や医療、AI技術などと多岐に渡ってさまざまな分野に活かされていく可能性に満ちている。
21日の岩手銀行の発表によると、岩手銀行、青森銀行、秋田銀行、山梨中央銀行、沖縄銀行、の5つの銀行と株式会社アイシーエスが提携し、ブロックチェーンを使ったサービスの実証実験を行い、金融サービスプラットフォームの共同構築に向けた検討を進めているという。
沖縄銀行は以前からブロックチェーンの実証実験を行っており、食堂内の食券の売買などに成功させている。
仮想通貨は発行されるのだろうか?
今回の地銀5行の提携は、国内での金融サービスを加速させる可能性も考えられるが、ブロックチェーン技術を用いるということで、やはり気になるのはトークン(仮想通貨)の発行はされるのか?といったところだろう。
可能性としてはゼロではないが、これを独自通貨として発行するのは現状では厳しいだろう。技術面もその理由のひとつではあるが、銀行での管理ということであれば、法律的な側面も無視できない。
ブロックチェーンを金融サービスに応用するのは、非常に前向きで良いニュースではあるが、仮想通貨を発行するとなると、その目的がやはり一番重要だ。例えば、1コイン/1円などと価格変動がないようなものであれば、決済の手段としては使いみちはあるだろう、しかし、これには矛盾点もありわざわざコインに換金しなくても価格が固定されているのであればそのまま使うだろう。
また、仮想通貨としてではなく、あくまで電子マネーとしての使途でしかないので、通貨として定着させるのも大きな難関であり、課題でもある。逆にこれが相場が付くものであれば、今度は投機としての存在意義はあるが、決済手段としては程遠いものになってしまうだろう。
今の仮想通貨市場がすべてを物語っている。岩手銀行によると今後も金融機関やフィンテック関連企業との提携によって新しい金融サービスに向けて取り組んでいくとしているので、これからの動向も注目されるところだ。
参考:岩手銀行ホームページ