納税でしばしば問題視されるのが納税額の他に、納税にかかるコストのことである。ただでさえ支払いたくはない税金のために、支払側が時間的にも労働力的にもコストを掛けて納税をするというのは、義務とはいえ気持ちのいいものではない。
そういった運用コストを削減し、社会的資源を節約することを目的とし中国国家税務局と北京市税務局がブロックチェーン請求書の試験的適用を開始することを決定した。「中華人民共和国の請求書管理措置」、「中華人民共和国の請求書の管理に関する実施規則」、「オンライン請求書の管理措置」などの規則によって運用される。
消費者はブロックチェーン請求書の正当性を税務局のウェブサイト上で検証可能となっており、見に覚えのない請求に関して当局へと通報することのできるホットラインも準備される。法人は金銭の流れを記録しておかなければならないため、今後ブロックチェーン請求書が浸透しきれば法人からの見に覚えのない請求を根絶することも可能だろう。
実際にブロックチェーン請求書の利用は拡大の兆しを見せており、2018年に発行開始した中国深セン市のブロックチェーン請求書は順調に利用されていっているという。