アメリカ国防総省(DoD)がブロックチェーンを使ったサイバーセキュリティ防壁の構築を検討していることが明らかになった。

DoDは12日、「Digital Modernization Strategy(デジタル近代化戦略)」というレポートを発表した。レポートは国のデジタル防御の促進に関する方法をいくつか概説しており、その中にブロックチェーンを使ったサイバーセキュリティの防壁についても述べられた。

DoDは、ブロックチェーンは不正の可能性を減らすだけでなく、不正を働こうとする攻撃者に対して大きなコストを課すことができると説明。その理由として、以下の3点の理由を挙げた。

1. ブロックチェーンネットワークは“トラストレス”である

トラストレス(trustless)は「信用されていない」という意味合いにも聞こえるが、ここでは信用が分散されることで「信用量が最小限に抑えられる」という意味合いで使われている。インサイダーとアウトサイダー双方によってネットワークが構築されており、システム内のさまざまな当事者間で信頼が分配されることで仲介者や管理者に全面的な信頼を置く必要がなくなる。

2. ブロックチェーンは透過的に安全である

ブロックチェーンは失敗の多い秘密鍵に頼らず、改ざんを著しく困難にする構造暗号データ​​構造に頼っている。

3. ブロックチェーンネットワークは“フォールトトレラント”である

フォールトトレラントとは、その構成部品の一部が故障しても正常に処理を続行するシステムのことを言う。ブロックチェーンネットワークは誠実なノードを連携させ、不正なものを拒否する。

同局の研究部門であるDARPAは、メッセージングとトランザクションプロセスを安全に行うため、より効率的で堅牢で安全なプラットフォームを構築するテストをすでに試しているという。

参考:アメリカ国防総省(PDF)