大手タバコ会社のPhillip Morris Internationalが、パブリックブロックチェーンの構築に取り組んでいることが明らかになった。

Phillip Morissの構築および技術革新のグローバル責任者であるNitin Manoharan氏は25日、ロンドンで行われたブロックチェーン・エキスポで「パブリック・ブロックチェーンをやりたい」と語った。

Manoharan氏によると、この技術を使用してタバコの箱の納税印紙を追跡するという。現在これらの紙箱は1パケットあたり約5.50ドルもの価値があり、年間で1億ドルの費用がかかっている。しかし、高解像度コピー機などを使えば容易に偽造することができるという。

Manoharan氏は、ブロックチェーンによって提供されるトレーサビリティと透明性によって、プロセスを自動化し、偽造などの詐欺を減らすことができると語った。これにより、Philip Morrisだけでも2000万ドルを節約できると見積もられている。

エンタープライズ向けブロックチェーンは、サプライヤー、顧客、ビジネス パートナー間で共有するブロックチェーンだが、Philip Morrisが想定しているものも広くアクセス可能なものだとManoharan氏は語った。

「願望は、関心のある利害関係者が参加し、そこから利益を得ることができるといった業界全体のブロックチェーンです。彼らがもしそこに価値を見出だせないなら、ただ去ればいいだけです。」

誰もか許可なしにノードを実行することが可能になるが、そうするためにはインセンティブが必要となってくるとManoharan氏は説明した。

「私たちが導入した最小の実行可能なエコシステムが、この特定のエコシステムに参加するすべての利害関係者にとって魅力的であることを確認したいのです。それには、価値のある命題および参加する理由がある必要があります。テーブルの上に十分な価値がないならば、彼らは従事しないでしょう。それを持続可能にする唯一の方法は、関係者がこのブロックチェーンから利益を得ることを確実にすることです。」

しかし、これは必ずしもPhilip Morrisが独自で暗号通貨を作成したり、公開されているイーサリアムのブロックチェーンの上に構築したりしているという意味ではない。

むしろ、この新しいオープン・アクセス・ネットワークを構築するために、イーサリアムとCoin Sciences社が自社で開発したブロックチェーンのプラットフォームであるMultiChainを組み合わせたネットワークの構築を計画しているという。

また、オープンソースのブロックチェーンプラットフォームであるHyperledgerコンソーシアムとも対話を開始していると同氏は付け加えた。