スイス証券取引所を運営するSIX Groupが、構築するデジタル資産の取引、決済、および保管サービスの基礎となるブロックチェーンにR3のCordaを選んだことが明らかになった。6日、R3が公式ホームページで発表した。
SIX Groupは2018年7月、分散型台帳技術(DLT)を使ったデジタル資産のエコシステムである「シックスデジタル取引所(SDX:SIX Digital Exchange)」を発表した。
これは、デジタル資産のための完全なエンドツーエンドで統合された取引、決済および保管のインフラストラクチャである。先月発表されたレポートによると、今年の後半にはSDXのブロックチェーン統合をテストすることを計画しているという。
SDXのデジタル部門責任者であるSven Roth氏は、R3のCordaが様々な分野にまたがりサービスを展開しており、保険などの資本市場を超え、アイデンティティなどの要素にまで及んでいるという事実も、同社を選んだ要因であると述べた。
「これは非常に重要なことです。というのも、様々な事業者を評価する際、中にはニッチな製品に焦点を当て、特定の分野に限定されている業者が多数ありました。我々は特定の分野だけに限定するということはしたくないのです。」
SDXは、株式から始め、美術品のような難解な物的資産のトークン化など、他の取引可能な商品を模索しながら成長するデジタル資産の規制取引所プラットフォームを作成することを目標としている。
Roth氏によると、2019年後半に発売予定の同プラットフォームは、まずは株式や債券、ファンド、仕組商品などの古典的な銀行資産がDLTで直接発行されることになるという。
「これらの資産クラスはリリース時に即座に利用可能になるでしょう。その後、SIXの中央証券保管所にあるものをトークン化していきます。DLTでのみ利用可能な商品を用意したいと最初に述べたのは、2つのCSD間の移動やスプリット流動性に関する問題を発生させないためです。」
SIXが焦点を当てているもう1つの分野は、いわゆるセキュリティトークンオファリング(STO)の取り扱いだ。先月、ロイターとのインタビューで、SIXの会長であるRomeo Lacher氏は、STOを介していくらかの資金調達を行う計画を述べた。
Roth氏は、このことについてはまだ検討中であり、詳細については触れることはなかったが、規制されたSTOの雛形は、プロジェクトの中心的なものになることを確認しました。
「ご存知のように、我々には“未来”を定義するものが必要なのです。STOやIDO(イニシャル・デジタル・オファリング)、今日ではIPOと呼ばれるものがそうです。」
STOなどに関しては検討されているものであると述べたが、それらの計画に関するさらなる詳細を追加しなかった。
参考:R3