イギリスの大手銀行のHSBCは先日、同銀行のブロックチェーンベースのシステムが、外国為替取引の決済にかかるコストを25%も削減できたことを明かした。

HSBCのFX現金取引およびリスクマネジメントの責任者であるMark Williamson氏は、同銀行が展開する独自ブロックチェーンプラットフォーム「FX Everywhere」は従来の方法と比較して約25%ものコストを節約できたと説明した。

先月、同行は「FX Everywhere」のプラットフォームを使用し、2500億ドル以上の取引を決済したことを発表。ここ1年間では、デジタルLedgerシステム上で300万回近くもの外国為替取引を行い、約15万回もの支払いがなされたという。

Williamson氏によると、HSBCはFX Everywhereで1日に3,500から5,000の取引を処理しており、その取引は現在3500億ドルの価値があると述べている。「これは、単なる概念実証でも、1、2回程度の取引でもない。それを実証することができた。」とWilliamson氏は述べた。また、かなり多くの内部資金の流れがDLTシステムで解決される可能性が高いとも説明した。

HSBCは以前よりブロックチェーン技術の採用に力をいれており、様々なテストも行っている。2015年にはブロックチェーンコンソーシアムのスタートアップとして知られるR3にも参加し、その後、ブロックチェーンサプライチェーンの試験でバンクオブアメリカとシンガポール政府との提携も果たしている。

また、カスタムメイドのブロックチェーンの担保付き資産を使用して、世界中の銀行がさまざまな取引を簡単に行えるようにすることを目的としたユーティリティ決済コイン(USC)プロジェクトに参加するなど、積極的で幅広い活動が目立っている。

参考:Reuters