仮想通貨の中には、大規模な採用の可能性を秘めたものがいくつかある。
今回注目したいのは「ライトコイン(LTC)」と「ナノ(NANO)」だ。いずれも可能性を秘めた仮想通貨と言えよう。ライトコインは、ビットコインが“金”ならライトコインは“銀”と比喩されるほど知名度の高い仮想通貨だ。そしてそんなライトコインの開発者であるCharlie Lee氏も一定量所有しているということで話題になったのがナノである。
できることなら両方保有しておきたいところだが、どちらか選ぶとするならどちらが良いのだろうか?今回はこの2つの仮想通貨を比較しながら考察していきたい。
それぞれを比較する上で手っ取り早い方法の1つは、過去1年間のパフォーマンスを見ることだ。この1年でより優れていたのは、ライトコインだ。同時期からナノを所有していた投資家よりも良い結果をもたらしたはずだ。過去の財務諸表が必ずしも将来の功績を約束するとは限らないが、歴史は繰り返す傾向がある。今後もライトコインはナノよりも高い利益を上げる可能性はあると言えるだろう。
ライトコインの価格が上昇する可能性を高めている重要な要素の1つとして、2019年に起こる「半減期」がある。この半減期は、主に需要と供給の調整を行うためにが設定されていると考えられている。つまりは、インフレ防止のための調整だ。この時の市場価値にもよるが、調整によって配給が少なくなるため理論上は価格が上昇すると考えられる。半減期前後にはおそらく話題になるだろう。
ナノにはこうした大きなイベントが起こる予定は今のところないため、過去の価格のパフォーマンスと将来の可能性に基づき、ライトコインの方がより良い投資と言えるのではないだろうか。
両者を比較するための第2のパラメータは、市場におけるブランド認知の観点にある。プロジェクトの技術的側面は重要だが、市場におけるブランドの存在も非常に重要である。現に、ビットコインは市場で最も技術的に優れたプロジェクトではないが、それでもなお業界ナンバーワンである。
このパラメータにおいても、ライトコインはより良い選択であると言えよう。これは単純に、ナノと比較して市場での認知度が高いからである。先に述べたとおり、ビットコインが“金”ならライトコインは“銀”とも比喩されており、2010年にリリースされたビットコインに次いで2番目に古い仮想通貨でもあり、広く認識されている仮想通貨である。
実際に、ライトコインの方がより多くの取引所で扱われており、アクセスのしやすさにおいてもナノより優れている。需要の観点からも、より良いパフォーマンスを見せてくれる可能性は高い。
過去のパフォーマンスと市場における認知・需要の観点から見ればライトコインの方が圧倒的に魅力的に見えるが、決してナノの将来性が低いというわけではないことは理解していただきたい。
手数料を基準にして見れば、無料であるナノの方が優れているし、ブロックチェーンとは違うDAGの採用によってマイニングが不要だったり、送金スピードがリップルよりも早い点など、様々な魅力と将来性がナノにはある。そのユースケースが形になっていくにつれて、将来的に大きな利益をもたらす可能性は大いにあるだろう。
以上、今回は筆者が個人的に注目している仮想通貨のうち2つを取り上げさせていただいた。今後も様々な仮想通貨を比較しながら調べていきたい。