FinCEN(米金融犯罪取締ネットワーク)は、金融機関から毎月1,500件以上の仮想通貨に関する報告を受けているという。

Chicago-Kent Block(Legal)Tech Conference にてFinCENのディレクター、Kenneth Blanco氏は、代理店が仮想通貨を規制する役割について議論をした。同氏は、仮想通貨が特定のユースケースに有益であると証明できる一方で、犯罪者、テロリスト、不正などにも機会を提供すると指摘した。

Blanco氏は、疑わしいアクティビティレポート(SAR)申告書の重要性を強調した。これは、金融機関がマネーロンダリングや詐欺の疑いのある事件の後に提出しなければならない文書の一種である。FinCENは仮想通貨のトランザクションを含む疑わしい活動について毎月1,500件以上のSARを受け取っていると同氏は述べている。

これらのレポートは、伝統的な金融機関と仮想通貨取引の両方から来ているとBlanco氏は語った。

「この情報には、有価証券所有権の情報や私たちがかつて知らなかった交換に起因する活動、管轄情報、および私たちが連絡できる追加の金融機関が含まれていたものはすべて、SARと金融機関が提出した裏書を通じて得られたものです。」

Blanco氏はまた、規制当局が仮想通貨分野に関連する「取引所、管理者、お金のやり取りに携わる人たち」に焦点を当てて長年働いていることを説明して、この分野でのFinCENの役割についてより広範に議論した。

同氏は現金化サービスの提供を行う貨幣サービス事業に関して発行された2011年のFinCENのルールによって、通貨の代替物として機能する仮想通貨が支配されていくことに注目し、当局の法的立場を現場で正当化した。また、ICOに関しての見解を以下のように述べた。

「ICOの取り決めは様々で、構造によっては異なる当局の対象となる可能性がありますが、1つの事実は絶対的なものです。FinCENとSECとCFTCのパートナーは、ICOに関わる企業が、これらの義務が優先されず米国の金融システムが危険にさらされても適切な措置を講じることを約束しています。」

ICOに関しては企業やプロジェクトなど発行主体により中央的に管理されるため、最近のSEC(米証券取引委員会)による有価証券として見るべきか、といった点がフォーカスされている。こういった通貨の方向性が今後定まれば、投資するにあたって指標にもなるため市場ではSECの見解が注目されている。

参考:CoinDesk