米商品先物取引委員会(CFTC)の会長であるJ. Christopher Giancarlo(クリストファー・ジャンカルロ)氏は25日の議会で、同機関が他の国に比べてブロックチェーンの分野で「遅れている」と語った。
ジャンカルロ氏は米農業委員会の前で講演し、当局の業績と将来の議題に関する質問に答えたが、ブロックチェーンに関する質問が投げかけられた際に、技術や知識の遅れ、また規制当局が抱えている問題についても説明した。
規制当局はある意味で発展の妨げになっているとジャンカルロ氏は説明した。例えば、銀行協議会が運営しているブロックチェーン上ではそのノードを運営することはできないと述べており、情報とデータが銀行側から付されるという仕組みに問題があることを指摘した。
CFTCがノードを運営する能力を購入、または賃貸することが出来ないのは、議会を通じた歳出法案が必要となってくるからであるが、それらを行ったとしても、全ての準備が整う頃にはすでに遅れを取ってしまっている状態であると言う。
代わりに、開発者と協力することを可能にする法案を提唱した農業委員会のAustin Scott氏の法案をジャンカルロ氏は促進した。この法案が通ればCFTCにとっては大きな手助けとなり得るが、議会では役に立たない法案として扱われているようだ。
「我々は遅れをとっている。2日前、イングランド銀行は英国でブロックチェーンベースの新しい銀行間決済システムの導入を発表したばかりだ。イングランド銀行はこの4年間、我々が行うことが出来なかったブロックチェーンのベータテストを行い、その技術に慣れて行った。そのテスト期間を考えれば、我々は4年も遅れていることになる。規制当局としてより良い仕事をするためにも、議会へ来てただ“これを作るにはこの程度のお金が必要だ”などと言う前に、テストを重ねてその技術について理解をしていく必要がある。」
ジャンカルロ氏はまた、規制の対象が商品や先物契約、不正行為などに限定されていることを指摘し、特に仮想通貨を監督する能力が必要であることを主張した。
「一番参考にしたいモデルは1990年の“インターネット”のモデルだ。民主党のホワイトハウスと共和党議会が協力して取り組み、『何よりもまず害をなすなかれ』という姿勢でのアプローチを行った。その結果規制はゆっくりと進み、技術は飛躍的な進化を遂げた。身近でしっかりと観察し、慎重になる必要はもちろんあるが、何でも規制に走る前に、技術を発展させていくことも必要だと感じる。」と結論付けた。
参考:CoinDesk