1930年代に、ローレンス・ロックフェラー氏は石油流通の遺産を航空会社に投資し始めました。そして数十年後、1969年にジョン・D・ロックフェラー氏の孫が兄弟とともに、投資会社のVenrock(「ベンチャー」と「ロックフェラー」を足して「ベンロック」)を設立しました。インテルやアップルなどの新興企業の賭けを通じて出世し、会社は現在未開拓の領域に乗り出そうとしております。それが“仮想通貨(暗号資産)”です。

フォーチュン誌は6日、ベンロックが、起業家がブロックチェーン技術に基づいたビジネスを構築するのを手伝う仮想通貨投資グループの「コインファンド」と提携したことを報じました。

ベンロックのパートナーであるデイビッド・パックマン氏は、資金と技術の交錯についての新しい展示会「Balancing The Ledger」にて、ジョイントベンチャーについて以下のように述べました。

「仮想通貨の経済や、様々な仮想通貨ベースのプロジェクトの設計を手助けしてきたこのチームとパートナーシップを結びたかった。」

ベンロックとコインファンドは、ライブ動画ストリーミング・アプリのメーカー、ユーナウ(YouNow)に共に投資したことから出会いました。3年前に設立されたコインファンドはこれまで多数のブロックチェーンプロジェクトを支援してきました。

最近では、ICOプラットフォームを運営する「コインリスト」にも投資。昨秋はコインファンドの最も有名なクライアントの1つであるメッセージアプリの「Kik」にも支援し、KinトークンのICOでおよそ1億ドル(約107億円)を調達しております。「Kik」は国内で言うところの「LINE」で、10代のアメリカ人の40%が使用しているとも言われております。「LINEが仮想通貨を作った」というイメージで考えると、その調達額も納得するのではないでしょうか。

パックマン氏は、仮想通貨が投機的であるにも関わらず、短期的な利益には興味がないと言います。

「仮想通貨の市場に多くのトレーダーがいることと、多くのヘッジファンドがあること。これらは異なります。私達にとってはベンチャー・キャピタルのようなものなのです。」

このように、これまで多くの仮想通貨関連プロジェクトを支援し、仮想通貨とブロックチェーンのビジネス・イノベーションの促進を目指してきたコインファンドの成果には目覚ましいものがあります。今回のベンロックとの提携によって、仮想通貨・ブロックチェーン産業にさらなる発展がもたらされることが期待されます。

参考:FORTUNE