仮想通貨市場ではこのところ、ビットコインキャッシュがビットコインから分岐し、新しく派生したということで世を騒がせているが、ビットコインは未だにスケーラビリティの問題は解決しきれていなく、1日に行われたハードフォークでは、ビッグサイズのブロックにしただけで、マイニングが追いついていないのが現状だ。

このあたりは中国のマイニング企業のBitmain率いるジハン・ウー氏の動向次第で、いざビットコインキャッシュのマイニングに本腰を入れるとなれば話は異なるが現状では消極的な姿勢と見られる。

ビットコインキャッシュについては、もう一波乱ありそうだが、11月に予定しているブロックサイズ引き上げ(Segwit2x)の件についても話題は絶えない。ユーザーの立場ではできることも限られているが、ハードフォークが行われれば、従来のサイズのビットコインと新しいビットコインに分岐するという予測もされているので、今から注意深く観測していきたい。

3つ目のビットコインという呼び方が適切かは難しいところだが、可能性は非常に高いと考えられている。この場合ビットコインキャッシュと同様に、保有分と同量の新しい通貨が上乗せで配当されるのか、もしくは価格を合わせて元のビットコインと同額になるのか現状では不透明だ。

ビットコインの根幹であるブロックチェーンの技術は素晴らしいが、投資として考えるのであればとくに注意が必要だ。市場規模が小さく、中国のマイニング企業が一声かければ新しい通貨が生まれる。おそらく来年の今頃には、まるで何も無かったかのように取引されているだろう。

現在、イーサリアム(ETH)やイーサリアムクラシック(ETC)の取引をしている方はTheDAOの事件を思い出していただきたい。当時あれほど騒ぎになったのに、今では毎日盛んに取引が行われている。

懸念してばかりもいられないが、このところの楽観ムードは危ないとも捉えられる。簡単に誰でも稼げると新規参入をしてはヤケドをしてしまうだろう。先日の某TV番組の特集では、被害が出ているとされる投資案件のグループがバーベキューで高級な牛肉を食べている様子を放映された。

さまざまな意見があるだろうし、人によって見方も異なるため、法律的なことや道徳のことはここでは言及しないが、これを見た視聴者はどう思うだろうか。被害者であれば、怒りの感情も湧くだろうし、まだ仮想通貨を知らなかったという方は、自分も稼ぎたいと意欲が出るのではないだろうか。実際に放映後にはこれの影響で新規参入を考えている方が多く見られた。

話は戻るが、ビットコインからビットコインキャッシュが派生し、さらにもう一つのビットコインが11月に生まれようとしている。3つのビットコインが出回った時に主流はどれになるだろうか。

ビットコインは3日19時現在で1BTC/2,755USD(約30万5,000円)、ビットコインキャッシュは1BCH/446USD(約4万9,400円)ほどで推移している。これから仮想通貨投資を始めるという方は、冷静な判断で取引を行っていきたい。市場では今後の相場動向が注目されている。