欧州中央銀行(ECB)で総帥を務めるクリスティーヌ・ラガルド氏が月曜日、欧州議会の本会議でデジタルユーロの可能性について言及した。
ユーロ紙幣と硬貨はこの日、発行から20周年を迎えている。
ラガルド総裁はデジタルユーロに関して、現金に取って代わるものではなく、それを補完するものになると述べ、支払い方法の新たな選択肢を提供することで支払いを容易にし、金融包括に貢献する可能性を語った。
ECBは昨年デジタルユーロのプロジェクトを立ち上げ、デジタルマネーの活用方法を調査していることを報告。現金のように便利で費用のかからない支払手段を提供し、例えばオンラインなどの現金の使用が妨げられるケースでの支払いなど、ユーロ圏のどこにでも支払うことができるように調査をしていると述べた。
ECBによるデジタルユーロの調査フェイズは2年間を見込んでおり、調査が完了した段階でデジタルユーロの開発に着手するかどうかを決定。その後にテクノロジーと決済サービスを提供できる銀行や企業と協力して、可能なソリューションを作成してテストするとECBは明らかにしている。
ECBのウェブサイトには「デジタルユーロは依然としてユーロです。紙幣のようですが、デジタルです。これは、ユーロシステム(ECBおよび中央銀行)によって発行され、すべての市民および企業がアクセスできる電子形式のお金になります。」と書かれている。
ECBによるデジタルユーロへむけた進展を受け、欧州委員会はデジタルユーロの法的な基盤を定める法案を提出するよう計画をし、2023年初頭にも法案が提出できるように作業をしていると明かした。