スイス最大の銀行であるUBSが、現在下落中のBTCを始めとする暗号通貨の価格が今後暫く回復しない「暗号通貨の冬」が到来した可能性について警告した。下落が長引く理由についてUBSのアナリストはいくつかの要因を説明している。
UBSのアナリストであるジェームズ・マルコムは、暗号通貨が今年、投資家にとって魅力を失う可能性がある点をクライアントへのメモ書きで説明した。
マルコム氏はアメリカの連邦準備制度(FRS)の利上げが、資産クラスを価値のある代替ストアとみなす多くの投資家にとって、ビットコインなどの暗号通貨の魅力を減らすように設定されていると述べた。
また、中央銀行がインフレに対処するために動いた場合、投資家は価格上昇に対処するためビットコインを保持しないようにする可能性があることを付け加えた。また、これらは政府による景気刺激策が暗号通貨の価格を押し上げる要因にもなったと説明している。
連邦準備制度理事会(FRB)は今年数回金利を引き上げることがアナリストらによって予想されており、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOによれば、FRBは今年4回以上の短期金利引き上げを余儀なくされるだろうと予測し、ゴールドマンサックスも同様にFRBの4度の金利引き上げを予測している。
マルコム氏は、一部の投資家たちはビットコインを、そのボラティリティの高さから「より良いお金」ではないという認識を強めていると主張。また彼らは、暗号通貨の供給が限られている点から、柔軟性の低さを危惧していると指摘し、マルコム氏自身も、ブロックチェーン技術が分散型の設計であるために拡張が難しい点を懸念している。
さらに付け加えて、暗号通貨のもう一つ大きなハードルに規制が挙げられると説明し、ステーブルコインとDe-Fiは今後数ヶ月で当局から、より大きな後退を強いられることはほぼ確実だと思われると強調した。
マルコム氏の挙げた根拠は終始アメリカ当局の動向によるものとなっている。バイデン政権は暗号通貨に関する政府全体の戦略を現在起草しているところであると伝えられており、暗号通貨業界と因縁の深い米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー議長は、暗号通貨取引所に対する規制が現在SECの最優先事項であると述べている。