欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は水曜日、ロイターネクストカンファレンスのインタビューにおいてビットコインに対してグローバルレベルでの規制枠組みの必要性を説いた。
かねてより仮想通貨に対する様々な発言を行ってきたラガルド総裁の規制的見解となった。今回の発言においてビットコインからいくつかの“おかしなビジネス”と、非難されるべきマネーロンダリング活動が出てきていると述べ、昨今の乱高下するビットコイン相場を引用し、ビットコインが通貨になると信じている人には申し訳ないが投機的資産であると断じた。
ビットコインに対して各国が様々な対応を取り、日本においても不特定多数との取引が行われる仮想通貨取引所の開業は自主規制団体による認定が必要になり、認可を受けた仮想通貨取引所でアカウントを開設し現金と仮想通貨との交換をするためには本人確認の厳格化が求められるようになった。
こうした仮想通貨を利用したマネーロンダリング対策には多数の地域で乗り出しているが、国際的に統一された枠組みとはなっていないため、どこかに抜け道が存在する限り犯罪集団はそれを利用しマネーロンダリングをし続けるであろうことをラガルド総裁は指摘し、グローバルレベルでの規制が必要とした。まずはG7からスタートし、G20へと広げ、最終的には多国間行動が必ず必要であると強調した。
こういった発表に対して仮想通貨コミュニティからは「ビットコインはすでに世界で最も規制されている通貨である」「ビットコインよりも違法に使用される法定通貨の存在」など反発のコメントが多数出てきている。
一方で、ラガルド氏がフランス財務大臣在任中の不正疑惑について2013年にフランス当局から家宅捜索を受けた事例などを引用し、“おかしなビジネス”を行っているのはどちらであるかといった非難の声も聞こえた。