米Facebookは18日、同社が開発する仮想通貨「Libra」を用いた金融サービスを2020年に開始する計画を明らかにした。

しかし、これに対して米国下院金融サービス委員会の議長であるMaxine Waters議員が、Libraの開発を中止するよう要求したことが明らかになった。19日、米CNBCが報じた。

「Facebookの過去の問題を考慮すると、私は議会と規制当局がこれらの問題を検討し、行動を起こす機会が得られるまでは、同社が暗号通貨の開発を停止することを求めます。」とWaters議員は述べ、Facebookが過去に数十億人分の個人情報が流出した問題などを取り上げ、警鐘を鳴らした。

これを受けて、同じく金融サービス委員会のPatrick McHenry議員は、次のように述べた。

「政策決定者として、我々がLibraというプロジェクトを理解することは絶対に必要です。私たちは、噂や憶測を超えて、このプロジェクト自体と、そしてそれが世界の金融システムに及ぼす影響を評価するためのフォーラムを提供する必要があります。」

Facebookは、Libraのネットワークと通貨を管理する独立した組織「Libra Association」を立ち上げ、投資家を同組織に集めている。立ち上げた段階で28社が参加しており、各社は最低限の参加費用として、1,000万ドルを出資している。また、2020年には100社以上のメンバーが集まる予定ともされている。

現在、仮想通貨市場は投資家や消費者を保護する規制の枠組みも出来上がっておらず、とにかく法整備がおっついていない状況だ。

そのような中で、情報流出が続き不信感が高まるFacebookが新たなプロジェクトLibraを発表することに、金融サービス委員会が警鐘を鳴らすのは当然のことと言えよう。

Libra Associationには、PayPalやVISA、Mastercardといった主要な決済機関などが揃っており、リリース以降はFacebookも一参画企業として中央集権化を回避する予定となっているが、問題を多く抱えるFacebookが計画するLibraのネットワークは問題なく機能するのだろうか。今後の動向が注目される。

参考:CNBC