リップルのCEOであるBrad Garlinghouse氏は6日、ワシントンで開催されたDCブロックチェーンサミット2019で行われた談話の中で、JPモルガン・チェースが自社のステーブルコイン「JPMコイン」を作成したことについては称賛するも、その有用性については疑問を投げかけた。

「JPモルガンのような大手金融機関が暗号業界に参入してきたことは素晴らしい。しかし、素晴らしいと言えるのは唯一それくらいです。」

リップルの分散型台帳技術(DLT)を支払いに使用するように金融機関に訴えているGarlinghouse氏にとって、JPモルガンという大手金融機関が同業界に参入してきたことの影響は大きいだろう。

しかしその一方で、同社が発表したJPMコインの有用性の見通しについては疑問を投げかけた。

「こないだ、モルガン・スタンレーの男性が私にインタビューしてきたんだ。私は彼に“モルガン・スタンレーはJPMコインを実際に使うのかい?”と聞いたが、彼は“おそらく使わない”と答えたよ。じゃあCitiは?BBVAは?PNCは?答えはノーだろう。」

銀行が自社のステーブルコインを作成することは、まさにDLTが解決しようとしている問題を再度作ってしまうリスクがあるとGarlinghouse氏は指摘した。

「アナタが彼らにデポジットのために1ドルを預けると、彼らはアナタに1JPMコインを与えてくれる。そしてそれをJPM台帳の中で動かすことができる。ちょっと待って?それなら最初から1ドル使えばいいじゃない!理解できないよ。JPMの台帳の中だけで移動させ、ドル-ドルで、ワン-トゥ-ワンのバックなら、これは何の問題を解決してくれるのか全く分からないよ。」

Garlinghouse氏は先月にも、「閉鎖的なネットワークを導入する事は、まるでネットスケープのIPO後にAOLを立ち上げるようなものだ」と批判しており、JPMコインの相互運用性の欠如に言及し、あまり使われないだろうとの見方を示している。

参考:CoinDesk