イラン政府の科学技術副大統領のもとで運営や投資を担当する高官Alireza Daliri氏が、「政府と民間部門の協力を得てブロックチェーン技術のインフラストラクチャーを強化する。」と述べ、世界各国とのブロックチェーンを含む先進的技術の進展に対して改めて前向きな姿勢を示した。16日、イランの首都テヘランに本拠をおく英字新聞Tehran Timesが報じた。
報道によると、Daliri氏はイランはブロックチェーンを含む新興技術について他の国との調整をしていくべきだと主張しており、これは「政府や民間部門の協力によってブロックチェーン技術のインフラストラクチャーに力を与えることで可能になる」という。また、ブロックチェーン技術の採用は不利益なことよりも多くの利益をもたらすとし、「ブロックチェーンの採用が景気を拡大させる」とした。
Daliri氏は今年の7月にも、イラン政府が全国的なデジタル通貨の発行のための基礎を築いていることも明らかにしている。これは米国の制裁に対抗して国内および国境を越えた取引を円滑化するために検討されていると当時報道された。制裁は激しくなる一方で、米政府はイランによる仮想通貨の利用を監視するように世界の主要の仮想通貨取引所に求めた。
実際、主要取引所の一つであるBinanceは先月、イランのユーザーに対して米国当局を遵守するようプラットフォームから外し、米国財務省は2人のイラン住民をブラックリストに載せ、個々の制裁リストに暗号通貨アドレスを追加した。
ブロックチェーン導入に積極的な姿勢を見せているイラン政府だが、制裁や監視は厳しくなっていく一方だ。イランは非常に電力コストの安い国でもあり、マイニング企業にとっても魅力的な国となっている。
国を挙げてのブロックチェーン技術促進、政府主導による独自の仮想通貨発行の可能性など、今後もイランの動向から目が離せなそうだ。
参考:CoinDesk