銀行間の国際送金を行う大手SWIFT(国際銀行間通信協会)は5日、リップルやJPモルガン、Transferwiseのようなライバル機関が提供するブロックチェーンおよびフィンテックソリューションに対抗するため、Global Payment Initiative(GPI)という新サービスの試作(パイロット)を開始することを公式ブログで発表した。

ブログによると、このサービスは「支払いプロセスの効率を大幅に改善し、最終的には10,000の銀行が繋がるSWIFTネットワーク全体で利用可能とし、新しい統合型双方向サービスの基盤の構築」を目指しているという。

今年10月にはGPIのテストが行われ、中国、シンガポール、タイ、オーストラリアの銀行と国境を越えた即座の支払いに成功している。GPIサービスには、受益者情報の不足や不正確な規制情報といった支払いデータの誤り、および欠落を迅速に識別し排除する機能が備わっている。同サービスは迅速かつ円滑な取引を可能にし、遅れやコストを削減することで顧客のサービス経験をより良いものにしてくれるとSWIFTは主張した。

またSWIFTは、同じサービスをより安い価格で提供しているJ.P.モルガンのInterbank Information Network(IIN)にも注目していることを明かした。同サービスは今年9月に開始されており、スペインの大手サンタンデール銀行やフランスのメガバンクのソシエテ・ジェネラルなどを含む130以上の銀行がすでにサービスを利用している。日本でもみずほ、りそな、三井住友の3行が参加しており、取引時間やコストの圧縮に期待が集まっている。

IINは、グローバルな支払いプロセスにおける摩擦を最小限に抑え、受取人がより迅速に、より少ないステップで支払いを受けることができ、相互に分散された元帳に関する情報を共有することで、銀行がエラーやコンプライアンスの問題を迅速に解決することを可能にしてくれる画期的な国際送金サービスであり、現在も加盟メンバーは増え続けている。

一方、SWIFTのGPIは、支払いを処理する前に銀行がお互いのデータにアクセスして受信者の口座情報を検証することを可能にするアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用しており、エラーや遅延を回避してくれることを強調した。

「GPI支払いと完全に統合されたこのサービスは、国際的な支払いの予測可能性と効率性を向上させるAPIを使用したリアルタイムの銀行間相互作用を促進し、予測分析を使用します。後に、支払いプロセスを遅くする可能性のあるコンプライアンスや規制要件から生じる要因の迅速な解決を可能にし、後払いの調査と調整サービスを補完してくれます。」

GPIの事前検証サービスは、J.P.モルガン、バークレイズ、中国銀行、シティグループなどの15の銀行で2019年の初めに開始される予定となっている。支払受益者と原債権者に完全なる透明性を提供し、コスト、ルート、資金の提供を予測可能なものにしてくれることに期待しているとSWIFTは主張した。

参考:CCN