米国税関・国境警備局(CBP)は、北米自由貿易協定(NAFTA)と中米自由貿易協定(CAFTA)の証明書を検証するためにブロックチェーン技術を使用する予定であるという。
米フロリダ州に拠点を置く海運業界メディアのAmerican Shipperによると、この新しい試みによって機関は輸入品が輸出国から輸入されていることを証明するためのブロックチェーンプラットフォームの実践的な試験を開始し、輸出国から輸入された輸入品を認証し、サプライヤーが米国の輸入業者に準拠していることを確認し始めるという。
CBPの事業変革&イノベーション部門の責任者であるVincent Annunziato氏は、将来の準備と市場導入の拡大を目指す9月の開始に先立ち、この試案を運用していると述べた。今月の14日から米アトランタ州にて2日間に及んで行われたCBPの「2018年貿易シンポジウム」で、Annunziato氏は以下のように語った。
「政府が真にしようとしていることは2つある。1つは市場の採用を増やすため、健全な方法でブロックチェーン市場を助けること。もう一つは民間産業がこのテクノロジーを使用し始めた時に備えて、先回りして準備しておくということだ。」
この新しいシステムが採用されれば、紙ベースで行われていた承認プロセスがモバイルアプリで利用できるようになる。Annunziato氏はまた、財務省と国土安全保障局に商工業の業務について助言するために2017年11月に設けられた税関国境保護局および関連国土安全保障機能の商業活動に関する省内諮問委員会(COAC)の情報を最新のものに更新した。
Annunziato氏によれば、この委員会は現在、「IPライセンシーとライセンサーの間の知的財産を検証するためにブロックチェーンを活用する実証実験」に取り組んでいるという。
CBPの他の計画には、ブロックチェーンを活用して商標やIP審査の目的を検証するアプリを構築することが含まれている。米国の税関運営のための紙ベースのプロセスを排除することが、政府機関の目標であると言えるだろう。
「例えば、全く疑いの余地なくオーストラリアの政府がこちらに何かを送っているということが把握できるなら、紙面での署名などは必要だろうか?オーストラリアでなく、フランス、スイス、どんな国であっても同じだ。」とAnnunziato氏は結論づけた。