米国のセル出版が運営するエネルギー論文誌であるジュールによれば、ビットコインに関する二酸化炭素排出量が米カンザスシティーや一部の国家と同等であると論文にて掲載した。
執筆者の一人であるマサチューセッツ工科大学の研究者であるクリスティアン・ストール氏によれば、ビットコインマイニングの電力消費が二酸化炭素の排出につながっていると言う。
さらに調査によれば2018年は前年に比べて4倍の計算能力が必要になったと指摘しており、マイニングに対するイメージがネガティヴな方向へと動きを見せている。
ビットコインの市場が停滞している中、世界的にビットコイン需要は確実に広まりを見せていることもあり、通貨危機や経済制裁を受けている国の中では安全資産としてビットコイン購入への動きを活発にさせている。
以前はビットコインの興味のある人々がごく一部であったのに対し、世界的な需要を見越して、マイニング施設の建設やマイニング機器を高性能にさせる変化を見せている。
二酸化炭素の排出量は深刻との見方をストール氏は語っており、年間の二酸化炭素排出量は2,200~2,290万トンとされ、ヨルダンやスリランカ、米カンザスシティの排出量と同等だという。
さらにビットコイン以外のアルトコインなどのすべての仮想通貨を入れると、二酸化炭素排出量は2倍になるとの試算もしている。
しかし仮想通貨=二酸化炭素の大量排出との見方は実際、一部の部分であり、これに対し仮想通貨リップル(XRP)や、最近注目をされているステーブルコインはビットコインとは異なるシステムを採用しており、マイニングとは無関係な様子を示している。
ストール氏はブロックチェーン技術がもたらす効果について異論はないとしつつも、ベネフィットばかりに焦点を置きすぎていることに対して注意を払うべきとの指摘をもしている。
ビットコインについては今後半減期なども繰り返されることもあり、徐々に排出量は減少してくるとの見方もあるころから、今だけ起きている問題との見方もされている。
参考:CellPress