DAppsプラットフォームとしても知られるイーサリアムネットワークが今月5日に「ロンドン」アップグレードを迎えて2週間強が経過し、アップグレードにより実装されたEIP-1559に基づき、日曜日までに73,784 ETHを燃焼させてきた。

EIP-1559は「ETH1.0チェーンの料金市場の変更」と銘打たれた、ロンドンアップグレードに含まれたイーサリアム改善提案の一つで、不確実性の高さが懸念されてきたイーサリアム取引の手数料を安定化させることを期待されて導入された。

ロンドン以前のイーサリアムにおいて取引手数料の決定方法はマイナーが支配的であり、手数料を多く支払うトランザクションが優遇されることから混雑時には手数料が高額化しすぎることが指摘されてきたが、EIP-1559によって手数料は市場原理でなくネットワークが決定するように変更され、これまでマイナーが得ていた手数料は現在焼却され、ETHの流通総量が減らされることになった。

これにより日曜日までに手数料が73,784 ETH焼却され、現在の相場にして日本円で約270億円ほどにものぼるイーサリアムが市場から消えることとなった。

発行総量の減少を受けて市場は大きく反応し、月初と比べ約28%の上昇が見られている。

現在は毎分約3.76 ETHが焼却されていると見られ、6月に行われたシミュレーションによれば、EIP-1559は年間で約300万 ETHを焼却すると推定されており、これまでマイニングにより供給されてきた分と相殺して供給量は76%ほど減少すると言われている。