ベンチャー企業E-Livestock Globalが、ジンバブエの畜産農家向けにブロックチェーンによる家畜追跡システムをローンチした。マスターカードの提供する「Provenanceソリューション」を活用したシステムとなっており、牛肉のサプライチェーンにおいてエンドツーエンドの可視性をもたらすことを目的としている。

革新的なソリューションによるトレーサビリティはジンバブエの経済回復のためにも役立つと説明されており、2018年におきたダニ媒介性疾患により5万頭の牛が死亡した後、トレーサビリティシステムの欠如が原因としてジンバブエは近年ヨーロッパや中東などへの輸出が行えなくなり、経済的な大打撃を受けていた。

E-Livestockによるソリューションは牛のサプライチェーンにエンドツーエンドの可能性をもたらし、信頼できるトレーサビリティはジンバブエにとって牛の輸出先を大幅に広げるチャンスとなる。

このソリューションでは各牛1頭ずつに対応する固有のRFIDタグをつけ、タグと牛を紐付ける。タグが付けられた家畜がワクチン接種や服薬など医師による治療を受けるたびに追跡システムはそれらのイベントを記録していく。

マスターカードのProvenanceソリューションを活用し、ブロックチェーンへと記録を書き加えていくことで、追跡記録が改ざんされていないことを保証し、販売・輸出の支援となる。

マスターカードの南アフリカ事業部長であるMark Elliott氏はブロックチェーン対応のシームレスなサプライチェーンの透明性が信頼性の伝達、包含の拡大、持続可能性の実践の共有、バックオフィスの効率の向上にどのように役立つかを主張。

食品システムにより多くの透明性とトレーサビリティをもたらすことを目指しているとマスターカードは声明を出しており、「オーストラリアのアボカドとカリフォルニアのエビ、および南北アメリカのコーヒーや穀物などの商品のサプライチェーンがさらに強化される」と強調している。