イーサリアム財団は18日、イーサリアムの次期アップグレード「LONDON」がテストネットで利用開始可能になったことをブログで知らせ、今後3つのテストネットでLONDONアップグレードが適用されていくことが明らかとなった。

LONDONは4月に実装されたBerlinに次ぐ大型アップデートとして準備されており、LONDONアップデートには5つの「イーサリアム改善提案(EIP)」が実装される。5つのEIPはそれぞれ「EIP-1559:ETH1.0チェーンの料金市場の変更」「EIP-3198:BASEFEEオペコード」「EIP-3529:払い戻しの削減」「EIP-3541:0xEFバイトで始まる新しい契約の拒否」「EIP-3554:2021年12月1日までの難易度爆弾の遅延」となっている。

現在イーサリアムはETH2.0へ向けたアップグレードの移行期であり、LONDONもまたETH1.0からETH2.0へと移行するための下準備的役割を担うアップグレードとなっており、プルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)へと移行し、アルゴリズムも含めた大きな変更を混乱なく経過するために入念に執り行われている。

EIP-1559は一時的な輻輳に対処するために、ブロックサイズを動的に拡張/縮小する、ブロックごとの固定ネットワーク料金を含むトランザクション価格設定メカニズムと説明され、ブログによれば現在のトランザクションとは下位互換性があるものの、いくつかの領域でクライアントの動作に変更がある点を注意している。

LONDONアップグレードが実装されるテストネットは「Ropten」「Goerli」「Rinkeby」の3つで、それぞれバージョンアップはRoptenが6月24日、Goerliが6月30日、Rinkebyが7月7日を予定されている。それぞれのテストネットに参加しているノードはイーサリアムクライアントのアップグレードが必要となる。

テストネットは実際に複数のノードでイーサリアムネットワークを構築し、本番同様に複数のノードでコンセンサスを取ることで本番実装前の機能などのテストを擬似的に行うことを目的としており、本番環境のメインネットと対をなすネットワークとなる。

メインネットのフォークはそれぞれのテストネットで正常な動作が確認された後に改めてスケジュールが組まれると財団は発表している。