一風変わったビットコインマイニングマシンがアメリカで発見された。ドイツの老舗自動車メーカーBMW社が送るハイブリッドスポーツクーペ「BMWi8」の後部トランクルームに、ハイエンドゲーミンググラフィックカード「GeForce RTX 3080」を6枚搭載した「マイニングBMW」だ。

オーナーは仮想通貨マイナーのSimon Byrne氏で、米メディア「HARDWARE TIMES」が報じた。以前にも同メディアで78枚のRTX 3080を使用した年間12万ドルの利益を生み出すことが出来るマイニングファームの紹介をされるなどコミュニティ内で知られたマイナーである。

日本では車両本体価格2135万円もする超高級クーペを使用したマイニングマシンだが、マイニング中の発熱対策のためトランクを開放している必要があるため、走行とマイニングが両立することはなく、実用性はないという。

ではなぜByrne氏は多額を投じてこのマイニングマシンを作ったのか。「HARDWARE TIMES」に対しては「旅行中でもお金を稼ぐための優れた方法だ」と回答したが、旅行中であってもマイニングマシンは留守番をしてくれるため行動を共にする必要はなく合理的な判断とは言えない。

一方で、取材を行った米メディア「PC GAMER」に対しては「ゲーマーを不愉快にさせるために作成した」と語っている。このマイニングマシンに使用した「GeForce RTX 3080」は前述の通りハイエンドグラフィックカードとなっているが、市場に出回っている数が少なく、ゲーマーの需要を満たしていないという背景がある。

本来用途として求められている貴重品のこういった無駄遣いに対して憤りを覚えるゲーマーは確かに少なくないだろう。Byrne氏がなぜゲーマーを不愉快にさせたかったかに関しては明らかにされていない。