JPモルガンは先週、クロスアセット戦略部門の責任者であるジョン・ノーマンドによる「マルチアセットポートフォリオに対して仮想通貨が行ったことと行っていないこと」と題した報告書を発表した。

報告書では、1970年代の金や80年代の日経平均株価など、過去の代表的な成長銘柄を引用し、そのどれよりもビットコインは価格上昇していることを示している。一方で、ボラティリティの高さにも注目しつつ、リスクのある仮想通貨をヘッジとして採用するのかを3つの理由をあげて説明した。

第一に「株式と信用のバリュエーションは、非常に若い景気循環では記録的に豊富に見えること」、第二に「米国の10年物金利が1%に近い場合、DM債のような従来のヘッジはほとんど保険として機能しないこと」をあげ、最後に大幅なインフレや気候変動やサイバー攻撃などにより経済的に疲弊するなど、まだ目に見えないリスクに起因して「従来の金融チャネルの外で運用される資産を支持する可能性がある」といった考えを述べた。

こうした考えからJPモルガンのアナリストは資産の最大2%ほどの小さな仮想通貨への割り当ては高いリターンと中程度の相関関係により、ポートフォリオの効率を向上させると結論づけた。