12月19日にマイニングされたビットコインブロックチェーンのブロック高662052に超高額手数料を設定したトランザクションが含まれていることが明らかになった。

662052ブロックへ含まれたトランザクションは全部で2,385件あるが、その中の一件で取引手数料が「3.49079570 BTC」に及ぶトランザクションが確認された。トランザクションハッシュは「33291156ab79e9b4a1019b618b0acfa18cbdf8fa6b71c43a9eed62a849b86f9a」となっており、実際に送金されたのは0.00005 BTCで、日本円に直すと約120円となる。

このような異常なトランザクションはこの他に確認されておらず、ウォレットやアプリのバグによる一般ユーザーによる誤動作ではなく、何らかのテスト操作を誤ったものであるという見方が強い。

662052ブロックに含まれる該当のトランザクションを除いた2,384トランザクションで手数料の平均を取ってみると「0.00024461574 BTC」となっており、こちらは日本円にして約590円となり、通常の1万4270倍ほどの手数料を支払った計算となる。

一般的なユーザーに及ぶ脅威ではないとされているが、一方で浮かび上がってくるのがBTC手数料の高騰という事実だろう。BTC価格自体が上がるにつれて連動するのは仕方ない部分だが、一度のトランザクションに約590円掛かるとなれば銀行振込などと比べた優位性は失われたに等しい。

ただし飽くまで平均手数料ということであり手数料は為替を考慮に入れずともこれより安くなるケースは多くある。トランザクション手数料は本来自身で決めることが出来るため0とすることも可能だ。ビットコインの仕組み上、一つのブロックに含むことの出来るトランザクション数の上限は決まっており、マイナーは手数料の高いトランザクションから順に決済していくため、どれだけ後回しにされても許容できるならばギリギリまで手数料を下げることは今でも可能である。

例えば今まで書留で送っていたような類の送金であれば着金が遅れても問題がないということであり、市場価格よりも低い手数料でも十分間に合うケースが多いだろう。一方で、コンビニやカフェなどでの現金支払いのようなケースを想定すると出来るだけ早い決済が求められるため、少し多い手数料が求められるかもしれない。それにしても3.5 BTCに及ぶ馬鹿げた手数料は必要ないが、小規模送金に利用するには少々割高な手数料と言える。

また、ブロックの決済サイクルといったリアルタイム送金に向けた課題は手数料の他にもあるが、全ての価値の移動をビットコインが担当するための課題が浮き彫りとなった今回の問題と言えるのではないだろうか。

参考:Blockchain Explorer