カンボジアの中央銀行はDLT(分散台帳技術)ネットワークについての新たな発表を行った。カンボジアは中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるBakongを発表しており、デジタル通貨採用に意欲的な国のひとつである。

5月11日~15日にかけて開催されているcoindesk主催による金融カンファレンス「Consensus:distributed」において11日、カンボジア中央銀行のセレイ・チェア局長による発表がされた。

デジタル通貨利用に際して積極的な理由の一つに自国通貨が国内でも利用が進んでいない現状があげられる。

チェア局長いわく、カンボジアは世界で最もドル化が進んだ国と評しており、経済全体の90%ほどが米ドルに基づいていると語っている。

こういった背景に、現地通貨リエルも流通はしているが日々の取引で使うには非現実的であるというった事情があるという。1ドルは4000リエルに相当し、リエルによる決済では日常生活で多くの紙幣を使用する必要がある。その点で、電子形式が進めばポケットの中の紙幣の枚数を気にする必要はなくなり、ドル依存が解消される見込みを持つ。

DLTベースの決済ネットワークは4~5年をかけて開発されており、現在までに12の銀行が参加。プラットフォームの試験運用はすでに行われており、まもなく開始予定であることを明らかとした。

参考:consensus:distributed