古くは野球やサッカーなどプロスポーツ選手のカード、そしてアニメキャラクターのカードダスなど日本でも多く流行しているトレーディングカードだが、遊戯王の爆発的流行を契機として競技系トレーディングカードゲームといったものが広く認知されるようになった。世界でも息の長いジャンルであり、元祖とも称されるマジック・ザ・ギャザリングや、PCゲームの雄であるBlizzardの送るファンタジー巨編Warcraftを舞台としたHearthstoneが世界的ヒットし、現物のカードが重要と思われたジャンルもデジタル化に成功している。

プレイヤーとのマッチングや好みのパッケージを好きなだけ購入できるようになるなど、多くの利点をもたらしたデジタル化だったが、“アイテムの所有権が誰にあるか”といった最大の欠点をはらんでいる。トレーディングと冠しているだけあり、プレイヤー同士のカードの交換は文化として根付いているものの、インターネット上でのトレードには思いも寄らない落とし穴が潜んでいる可能性もあり、消費者保護の観点から制限が掛かることも多い。また、運営元がサービスを停止してしまえば、ゲームができなくなるばかりかデジタルデータとしてのカードへのアクセスも失われてしまうことだろう。

こういった懸念を排除するべくホライゾンブロックチェーンゲームの開発しているのが「SkyWeaver」だ。Ethereum上で開発中のDappsであり、手に入れたカードの情報はブロックチェーンへ記録されるため、ユーザー間トレードも自由に行なえ、カードの削除はたとえ運営元であっても不可能となる。

ホライゾンはこのSkyWeaverを、同じく開発中のArcadeumと呼ばれるEthereum上に構築されたプラットフォーム上で開発している。Arcadeumではアイテムの所有権の移譲部分を担い、やがて他のデベロッパーも利用可能にする予定となっている。

昨年のシードラウンドで375万ドルを調達し、現在クローズドβテストが行われているSkyWeaverだが、先日500万ドルの追加調達に成功し、現在は年内中のパブリックβテストへと歩を踏み出した。

参考:techcrunch