仮想通貨TRONの創設者であるジャスティン・サン氏は、中国の仮想通貨取引所Fコインで自己資金を出金できなくなったユーザーに対して支援することを発表した。サン氏によれば、仮想通貨取引所ポロニエックスを介して1000BTTを付与するキャンペーンを実施するとのこと。

BTTは分散ファイル共有システムのBitTorrentが開発したビットトレントトークンで、BitTorrentは2018年にTRONによって買収された。現在1BTT=約0.0005米ドルで取引されており、1000BTTのキャンペーンで約60円ほどのものとなる見通しだ。

18日には、出金不可とされていたFコインのコールドウォレットからビットコインが外部の仮想通貨取引所へと送金されていることが発覚するなど、単なるFコインの経営上の損失、失敗ではなく出口詐欺の疑いが流れてきている。

現在Fコインはシステムの復元に時間を要すると公表しサービス停止の措置をとっているが、コールドウォレットから出金されていることがこれまでの説明との食い違いを指摘されている。

Fcoinは現在もメールを介し、利用者からの出金依頼を受けているが、先日の発表では資金不足分の返却に長い時間がかかることを報告しているために、実際に資金が返却されるかは不透明となっている。

先日Fコインは公式ブログにて経営難の報告分野、その後の取り組み、今後の対応などを公開しているが、意図的な出口詐欺であれば過去の仮想通貨取引所で起きた詐欺事件を参考にするならばこのままフェードアウトしていき閉鎖になっていくこともしばしばあるため、ユーザーとしては油断できない状況となっている。

TRONによる支援は約60円と少額のものだが宣伝効果としては大きく、値上がりを期待してひとまず受け取るユーザーもFコイン利用者の分母を考えるとそれなりの数字に登るだろう。

参考:Justin Sun(twitter)