2013年に設立され、イギリスで最も長い歴史を持ち、英国金融庁に認可された仮想通貨取引所コインフロアが、来年1月3日を目処にイーサリアム(ETH)の上場を廃止する運びであることを発表した。併せてビットコインキャッシュ(BCH)も上場廃止され、コインフロアはビットコインのみに注力していく方針に切り替えたという。

ETHの発行プラットフォームであるイーサリアムはアルトコインの中でも特に人気があり、時価総額においてもビットコインに続く第二位となっている。開発者からもスマートコントラクトの利用やDappsのプラットフォーム上の共通通貨としても注目を集めている。

そんなETHが上場廃止となるのは意外と思われるかもしれないが、その理由として「ハードフォークについてこれから価値を見いだせないこと」と「管理の手間がかかること」が挙げられている。

ハードフォークでは仕様変更の代償として変更以前との互換を失うが、最初から完璧な仮想通貨をプログラムできれば問題はないが、実質不可能と言えることであり、セキュリティの観点からも脆弱性が見つかった際にはハードフォークは避けられない。ハードフォーク前後で保有ETHのバランスが変更しては整合性が取れなくなってしまうため、ハードフォーク実施期間前後では取引を停止することになる。

イーサリアムでは今月8日に大規模アップデートのイスタンブールを完了。その後は各仮想通貨取引所も順次取引再開に動き出したが、こういった管理コストに見合うだけの将来性をイーサリアムに見出すことが出来なくなったようだ。

またコインフロアは昨年10月8日時点で従業員の半数をリストラにより削減する計画が判明するなど、経営事情も良好であるとは言い難い。こういった状況でのビットコイン特化は起死回生の一手となるだろうか。

参考:Financial News