偽造品の大量流通によってブランド価値が損なわれるというのは発展途上国のマーケットで頻繁に見られる日常とも言えるが、偽造品の流通を撲滅する流れが出てきている。

新宿にあるインターネットサービス企業「株式会社シティーデジタル」は、同社が現在特許を出願している、ブロックチェーン技術を用い、ブランド品の真贋を見分けることが出来るようになる「RFIDタグ」をスニーカーショップ「アトモス」にて試験運用することを発表した。

RFIDタグにスマートフォンをかざすことでタグに紐付いた製品情報と一意のIDが表示され、タグのついた商品が本物であるが偽造品であるかを誰でも見分けられるようになる。また、もしタグ自体を複製できたとしても、それもまた検証可能であるとしている。

今回の試験ではショップ店頭にタグが設置されることになるため、国内の消費者の一般的な行動として偽造品を疑うという手順は入らないのではないかと思われるため、興味本位でタグを読み取るということはあるかもしれないが、試験として十分なデータが集まるかどうかといったところだろう。

スマートフォンをかざすだけならいとも容易い行動ではあるものの、信頼の置けるショップにおいては不必要なステップであるため、やがてはメガネ型デバイスなどウェアラブル端末でタグを認識すると同時に真贋の判定がされるなどが望ましい。

仮想通貨と並ぶ形でサプライチェーンへのブロックチェーン利用は研究がされていた分野だが、原材料からすべて記録していく必要がある食料に比べるとブランド品質管理はメーカー、もしくは小売店による記録でも十分といえ、品質管理の第一歩としては理に適ったテストとも言える。

スーパーで賞味期限を確認するのと同じような気軽さで製品の詳細な情報が確認出来るようになれば、少なくとも“本物と思って”偽造品を掴まされるリスクは大幅に軽減できるだろう。