自然災害による保険金の支払いを要求する際にはどこに連絡すればいいのか、さらに書類の紛失により自身の権利をどのように証明すればいいのか、非日常下にある罹災中の家庭において先行き不透明で煩雑な作業は不安と言える。

そんな保険支払いに対し迅速に対応できるようブロックチェーンによる管理をアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)の諮問委員会(NAC)がレポートの草案にて明らかにした。

NACはFEMA管理官であるピーター・ゲイナー氏に対して、FEMAは支払いを円滑に行うようブロックチェーンソリューションの活用を検討すべきであるなどの提案をしている。さらにNACは被災者に対しての支払いプロセスを簡素に高速化できるはずだと説明をしている。

米国における自然災害と言えばハリケーンによるものが有名だろう。名称こそ異なるが実態は日本の台風と変わらず、家屋が飲み込まれたなら保険証書や身分証明証など補償を受けるための重要書類を紛失してしまうことは容易に考えられる。日本でもこの秋は台風が猛威をふるい、ダメージを負った家屋も数多くある。そういった書類の紛失リスクに対応できるのがブロックチェーンによる契約管理であるという。

こういった災害保険以外にも例えば、生命保険においても契約者と被保険者が同一の場合、当人が死亡した際にどのような契約がされていたのかを親族が調査するのに時間や労力が膨大にかかるといった問題もある。

また、保険以外にもどこの金融機関に口座を開設しているのかなど、書類ベースによる契約管理で限界を感じている部分についてブロックチェーンによる一元管理で解決される問題は非常に多い。

災害に遭ったあとの非日常から日常への復帰という大事な期間に不必要なプロセスは極力排除できるに越したことはない。その一助としてブロックチェーンが活用できるならばされるべきだろう。

参考:FEMA:NAC(PDF)