中国が仮想通貨のマイニングを解禁する方針であることが判明した。

ブロックチェーンについての投資を業務とするプリミティブ・ベンチャーズのビ・ワン氏が、公式ツイッター上で「政府がビットコインでの取引及びマイニングを解禁した」と発表した。

予兆はつい数日前に起こっており、中国国家発展改革委員会が今年の4月に禁止事項として要請した案件の中に、仮想通貨のマイニングが注ぎ足されたのだが、今月6日に入ってその仮想通貨のマイニング部分が削除されていた。中国国家発展改革委員会は削除した理由を明らかにしておらず、ビ・ワン氏の発表と結びつけると決定的と言えるだろう。

もともと中国は人民元の価値が下がることを憂慮しICOはおろか、仮想通貨のやり取りも禁止しており、マイニングも同様であった。ブロックチェーンをイノベーションの基軸とする発表から一気に舵を切り、仮想通貨へも前向きな対応を見せてきているようだ。

そもそも規制される以前は電気代の安さやインフラの充実などから中国をマイニングの拠点にしていた業者も少なくなかったが、禁止を受けて拠点を移していた経緯もあったが、今後は大手を振って中国国内でマイニングが出来るようになるということだ。

禁止の経緯にしても、中国政府の考えとしては人民元の価値が守られていることが重要と考えている節もあり、ビットコインの必要以上の台頭は避けたいものの、デジタル人民元に可能性を見出したことから潮流が変わったように思われる。

ICO及び仮想通貨の取引の禁止は継続したままマイニングの再開というのはチグハグな印象も受けるが、民間による仮想通貨へは牽制をしつつ来たるべきデジタル人民元の普及のためのインフラ整備の同時進行とも考えられる。

反対に、自由化に舵を切ったことで順次その他の規制も撤廃されていく可能性もなくはないこともなく、絶えず新しい情報が出続けているような状況のため、しばらくは中国の同行から目が離せなさそうだ。

参考:REUTERS