面白法人カヤックは、自社の企画・開発してきたコミュニティ通貨「まちのコイン」を、今年11月に鎌倉にてテスト運用を始めることを発表した。まちのコインはQRコードを通して、利用者がポイントを貰い加盟店にて利用ができる、分散台帳技術を使った仮想通貨サービスである。なお法定通貨への換金窓口は用意されない。

また、2015年に国連はSDGs(持続可能な開発のための開発目標)を定めたが、その中で設定された17の目標の中の「住み続けられる街づくりを」達成するための試みの一環でもある。神奈川県は環境について考えた街づくりを長年行っていためそれを国連から評価された事で、全国で唯一「住み続けられる街づくり」のモデル都市となった。

面白法人カヤックは元々、大熊工業の土木事業部でメロン肩の人物を試みを行ったり、また真面目な印象の強い商業サイトのAIチャットとは違い、自由な会話がウリのau Online Shopが運営するサービス「自由なめがみ」の企画・制作を手掛けた。その他にも、社員のボーナスをサイコロで決定するなど、社内外でユニークなアイデアを展開していることでも知られるが、一方で不動産業の鎌倉R不動産を運営するなど、カヤック本社のある鎌倉や神奈川県に対する地域貢献にも力を入れている。

まちのコインにおいてもポイント獲得に応じてレベルアップなど特典が得られることでゲーム感覚でサービスを利用でき、それが地域貢献につながるということを売りとしている。また、コミュニティが活発化することで仲間づくりにも役立てることができ、人と人がつながることで地域の社会課題の解決を担うビジョンも持っている。

地域密着型の仮想通貨と言えば今回のまちのコインに限らず例えば、下北沢で使えるシモキタコインやイギリス・リバプールではリバプールポンドといったものも開発されており、世界的に広がりを見せる取り組みの一つでもある。

電子地域通貨とも呼ばれるこれらの通貨だが、世界をつなげるグローバルな展開が仮想通貨の持つ特性かと思いきや、逆に地域密着型へと回帰していく一面があるというのも興味深い。

参考:面白法人カヤック