325年以上の歴史を有しイギリスとアメリカを活動拠点とする、銀行業務や投資銀行業務などを行うバークレイズは、アメリカの仮想通貨取引所コインベースとの提携を解消することを発表した。

バークレイズとコインベースは、2018年3月から提携をしていた。

EUの共通決済スキームSEPAと似たFPS(Faster Payments Scheme:銀行間即時決済スキーム)により、コインベースのユーザーはイギリスへすぐに送金・着金が可能になっていたが、しばらくは利用できなくなる。

なおコインベースは同じイギリスにあるクリアバンクと提携をする事で、第3四半期(7-9月期)の終盤までには再びFPSが使えるようにするとの事である。
FPSほどではないが使えないまでの間、代替の方法で早く入出金が可能になると言う。

解消の理由は明らかにされていないが、「バークレイズがリスク許容度を幾分か下げたのではないか」と言った意見が出ている。また、とある情報筋からすると二社の提携は実証実験プログラムとして行っており、バークレイズはコインベースにとってのトークンを上場する為に抑えて、銀行として新しい資産を用意するための布石とも言われている。

どちらから提携解消を先に申し込んだかは明らかにされていないが、コインベース側としたらFPSがしばらく使えない代わりの手段がある事で、ユーザーに対してそれほど不便な思いはさせないとして今回の解消になったのではと考えられる。

ちなみにバークレイズは、2011年12月に「Global Outlook: A cautious step forward」(慎重に前進)と言う名のレポートを提出している。これによると市場に対して慎重になおかつ強く関わるとの事だが、8年前のレポートとは言え今回の提携解消との関連性を感じずにはいられない。