デジタル成長におけるコンサルティング業を営む「Web profit」社のブロックチェーン部門は先週、102におよぶブロックチェーン創立者やCEOを対象に調査した新しいレポートを発表した。

昨年はブロックチェーン技術の広範な商業化により、ユーザーエクスペリエンスを高める多くのプロジェクトが導入されたが、ブロックチェーンはまだまだ改善を必要としているという。

レポートでは、「ブロックチェーンの大量に採用される転換点は何か?」という問いに、回答者の41%が「シームレスなユーザーエクスペリエンスが重要」と答えたという調査が掲載されており、多くの人々は依然としてブロックチェーンの技術が複雑すぎると感じている点を指摘した。

NaaS(Network as a Service )用に設計された次世代のパブリックブロックチェーン「QLC Chain」の創設者であるAllen Lee氏は、レポートで以下のように述べた。

「個人的には、ブロックチェーン技術が日常生活で使用される日は、人々がブロックチェーンについて話すのをやめた日だと信じています。消費者が知る必要のない単なるバックエンド技術だからです。」

まだまだ課題は多い一方で、プラスの面も多くあるとレポートは説明した。大企業などはユーザビリティの問題を十分に認識し始めてきており、それらの修正に取り組んでいるという。例えば、Twitterの創始者の一人であるJack Dorsey氏の指示で、モバイル決済企業「Square」は最近これらの問題に集中するために設計者を雇った。

また、レポート内で指摘された懸念事項として、DeFiとして知られる金融に焦点を当てたアプリケーションを含む、分散型アプリケーションを使用するという課題が挙げられた。これらは非常に有望なアプリケーションがが、消費者が日常的に使用するにはあまりにもトリッキーであるという。

しかし、ブロックチェーン技術を使って多様なサービスと製品を手掛ける「20|30グループ」の創始者であるDavid Siegel氏は、「現時点ではあまりにも技術的ですが、数年以内にモバイルアプリを使用するのと同じくらい簡単になります」と語り、ユーザビリティの問題は長期的なものにはならないと指摘した。

何れにせよ、ブロックチェーン技術に関して強みを持つ多くの人間やグループが、ユーザーエクスペリエンスの重要性を指摘しており、ユーザーエクスペリエンスの解決がブロックチェーン技術やアプリなどの普及に繋がっていく可能性が高そうだ。

参考:zage.io(pdf/download)