大手送金サービスのWestern Unionが、ブロックチェーンのスタートアップCoins.phと提携したことが明らかになった。

両社が結んだ新たな契約により、Coins.phの500万人以上のユーザーは、Western Unionのネットワークを介して国際および国内の支払いを行う事が可能になった。

Coins.phは、Western Unionのデジタルおよび小売ネットワークとリンクすることで、世界中のほぼすべての国や地域から支払いを受け取ることが可能だ。Coins.phによると、同サービスは「都市部から遠隔地の恵まれない地域まで、送金への迅速で便利なアクセスを提供すること」を目指しているという。

現在、世界には約1,000万人のフィリピン人が自国の外で働いて生活しているとされている。フィリピンは送金サービス需要の高い世界的にトップの国であり、現在もまだ成長している産業である。

同国の中央銀行であるBangko Sentral ng Pilipinas(BSP)によると、昨年7月に海外で生活しているフィリピン人からの毎月の個人送金は27億ドルに達し、前年比で3パーセント増加したという。

Western Unionのアジア太平洋地域を担当するグローバルマネートランスファーの上級副社長兼ゼネラルマネジャー、Molly Shea氏は次のように述べた。

「Coins.phとのコラボレーションにより、フィリピンのお客様に比類ない深さのサービスと機能、そしてすぐに使える便利さを提供できることを嬉しく思います。」

Coins.phは、送金、請求書の支払い、暗号通貨の購入などのサービスを可能にするモバイル・ウォレットを提供し、銀行口座を持っていない人々を含むフィリピンの居住者のための金融サービスを提供しているスタートアップだ。

同社は、中央銀行が発行した仮想通貨と電子マネー発行者の両方のライセンスを保有している。

Coins.phの共同創設者兼CEOのRon Hoseは、次のように述べています。

「定期的にお金を自宅に送金し、自分の愛する家族がお金を受け取れる最も便利になるような送金オプションを探している海外のフィリピン人労働者はかなり多いです。」

また、同社はサービスのユーザーは最初にオンラインでKnow your customer(KYC:顧客確認)検証プロセスを完了しなければならず、これが正常に完了した後、彼らのウォレットへのWestern Unionの転送を受け取ることができると説明した。

中には1ヶ月あたりのフィリピンのペソが10万ペソ(約2,000ドル)を超える大きな送金もあるという。ブロックチェーン企業と送金企業間の提携は今後も話題を集めることになりそうだ。

参考:CoinDesk