メキシコや、フィリピン、サハラ砂漠より南のサブサハラ・アフリカ地域に共通する点は何か?それは海外への送金、および国内への送金のコストの高さと難しさだ。

これらの地域は、リップルがブロックチェーンベースのツールを使って解決しようとしている市場でもある。

リップルが提供するサービスの1つであるxRapidは、取引の手段として暗号通貨のXRPを使用。この暗号通貨を使用することで、従来の支払いシステムを使用するよりもはるかに速く、はるかに安価に支払いを行うことができる。そのxRapidサービスを利用している会社の1つにMercury FXという会社がある。

Mercury FXは、英国のロンドンを拠点とする送金サービス会社で、南アフリカと香港にオフィスを構えている。

CEOのAlastair Constance氏によれば、同社はロンドンのオフィスだけで10億ドル、世界だと18億ドルもの送金処理を行っているという。同社では最近、xRapidサービスを使ってメキシコとフィリピンにお金を送るためのチャンネルを開いたばかりである。

海外仮想通貨メディアのDecryptのインタビューで、Constance氏はxRapidとXRPの利用を拡大していく計画を語った。

「正直、私達は先を見越しています。新たな管轄区域、そしてすでに開かれている管轄区域へはより多くの流用を求めています。私達は新たしいチャンネルを開くため、メキシコとフィリピンと非常に緊密に協力しております。常に早く動くことを意識しておりますが、全く新しいネットワークを構築しながらというのは非常に難しいことです。」

メキシコは世界でも最大規模の送金ニーズを有している国だが、Mercury FXのビジネスにおいては、xRapidを導入する前は比較的小さな規模のものであった。

しかし、Constance氏は、xRapidがメキシコへのより安価なサービスの提供を可能にし、新規顧客にとってより魅力的な会社にしてくれたと説明した。

しかしながら、メキシコのような国々へ完全な送金サービスを提供することは、そのこと自身が挑戦を伴うという。Constance氏によると、相手国の「資本管理」と「暗号通貨交換」の2つが重要な点だという。

まず、資本規制、送金に対する税金を含むお金の移動に適用される規制がある。これについては、Mercury FXが同国の規制をよく認識し、それが規則の範囲内にとどまるようにしなければならない。

そして暗号通貨交換についてだが、まずxRapidサービスはMercury FX、リップル(XRP)を使った国際送金の利用拡大初期通貨をXRPにスワップし、XRPは先の国(Pesoなど)で使用されている通貨で販売することができる。しかし、これはスワップをするために目的国での交換が必要となる。

大体は仮想通貨取引所のケースがほとんどだが、KYC(Know Your Customer:顧客確認)を欠いていることも多いため、Mercury FXは基本的にはリップルが推奨する取引所に固執するという。

リップルとの秘密保持契約のため、Constance氏は具体的な数字を明かすことはなかったが、メキシコとフィリピンへのxRapidチャンネルを介して実行されている支払いは、毎週数万ドル規模であることを明かした。今後はこれらの国々への送金を望むより多くの顧客を引き付けたいと語った。

「一度パイプが開いたら、あとは制限はありません。私たちはリップルを使って積極的にマーケティングを行い、より多くのクライアントを招待しようとしております。そうして成功が増えていけば、結果的に何十万、何百万、何千万ドルものお金を稼ぐことになるかもしれないと考えています。」

参考:Decrypt