先月、米大手銀行であるJPモルガン・チェーンが発表したJPMコインが国際送金分野においてリップル(XRP)と競合するのかといった世間の見方に対し、競合することはないと大手仮想通貨取引所バイナンスの研究部門であるバイナンスリサーチが見解を示した。

その理由としてリップルは様々な金融機関が採用できるようなプラットフォームを提供しているのに対し、JPMコインは自身の顧客に対して限定されている点だとしている。

国際送金分野において今のところ自身の顧客に対して提供することから、むしろ保守的で、顧客離れが無いよう囲い込みをしているようにさえも見える。一方、XRPはブリッジ通貨としての役目をしているとしており、JPMコインと比べオープンなネットワークを展開している。

これはJPモルガンだけの話ではなく、似たようなケースとして日本の大手金融機関である三菱UFJ銀行が開発をしているcoin(旧称MUFGコイン)にも見られる。coinは同行の利用者が利用する事が可能となっており、送金手数料の削減や送金速度の速さをメリットに顧客離れが起きないことを目的としている面がある。

また、みずほ銀行も独自のデジタル通貨を今年発行する予定との発表もあることから金融機関同士での競合は激化する可能性もある。

JPMコインに対し、リップルのCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏は「肝心な部分がわかっていない」と批判し、さらに「閉鎖的なネットワークを導入する事は、まるでネットスケープのIPO後にAOLを立ち上げるようなものだ」と述べている。

ネットスケープは過去マイクロソフトが発表したブラウザ、インターネットエクスプローラーの対抗馬として知られていたが、特に目立ったメリットがなく、いつの間にか姿を消すことになった。

JPMコインについてはどのようなメリットがあるのかを利用者が理解しなければ、その後姿を消す存在にもなるだろう。

バイナンス側としても脅威には感じることなく、むしろ今後どう展開していくのか、ただ見守る形を取っていく事だろう。

参考:Binance